【妊娠悪阻】妊婦のつわりで入院ってどんな時?入院の目安と対処法まとめ

つわり

はじめに

妊娠初期に多くの妊婦さんが経験する「つわり」。でもその中でも特に症状が重く、日常生活が送れないほどの状態になると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断され、入院が必要になるケースもあります。「どのくらいの症状で病院に行くべき?」「入院って何をするの?」と不安になる方も多いですよね。この記事では、妊娠悪阻の基礎知識から入院の目安、治療内容、自宅でできる対処法まで、妊婦さんとそのご家族が安心できるようにわかりやすくまとめました。無理せず、周囲の協力も得ながら、この時期を乗り越えていきましょう。

妊娠悪阻とは?つわりとの違いを理解しよう

一般的なつわりの症状と期間とは

つわりは妊娠5週頃から始まり、12~16週頃におさまるのが一般的。吐き気や食欲不振、においに敏感になるなど個人差がありますが、多くの場合は軽い体調不良程度で、日常生活が可能です。水分や食事が少しずつでもとれていれば、基本的に心配はいりません。症状が重くても、食べられるタイミングや食べ物を工夫することで対応できることが多いです。

妊娠悪阻の定義と診断基準

妊娠悪阻は、つわりの延長線ではなく「病的な状態」とされ、医療的な対応が必要です。具体的には、体重が急激に減る、水分が全くとれない、尿にケトン体が検出されるなどの条件が重なると診断されます。この段階では自己対応が難しく、入院治療が必要になることも少なくありません。

放置するとどうなる?重症化のリスク

妊娠悪阻を我慢してしまうと、脱水症状や電解質異常、栄養不足などが進み、母体と赤ちゃんの健康に深刻な影響を与える恐れがあります。特に長期間食事も水分もとれない状態が続くと、肝機能障害や意識障害を引き起こすことも。少しでも「おかしいかも」と感じたら、早めの受診を心がけることが大切です。

妊娠悪阻で入院する場合の基準とは?

重度の脱水症状があるとき

つわりが原因で水分をほとんど摂取できず、脱水症状が進行している場合は入院が必要になります。脱水は体内の電解質バランスを崩し、母体にも胎児にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、点滴などの処置を受けるために医療機関での対応が求められます。尿の量が極端に少ない、唇や肌が乾燥している、めまいやふらつきがあるなどの症状が見られる場合は早めの受診が重要です。

体重の著しい減少が見られる場合

妊娠初期に短期間で体重が5%以上減少していると、栄養不足によるリスクが高まるため入院対象となることがあります。妊婦さんの体は妊娠に向けて栄養を蓄える時期ですが、急激な体重減少は母体の消耗を進め、胎児の発育にも影響を与える可能性があります。適切な栄養補給と点滴治療によって、体調の回復を図るためにも医療機関でのケアが必要です。

日常生活が困難なレベルのつわり

一日中嘔吐が止まらず、食事はおろか会話や移動さえも困難なほどのつわりが続くと、心身の疲労も限界に近づきます。このような状態では、入院して安静に過ごしながら医療サポートを受けることで、回復のきっかけをつかめることが多いです。家族の助けがあっても限界を感じたときは、無理をせず医師に相談して入院を検討しましょう。

入院生活で行われる治療やケアとは?

点滴による水分・栄養補給

妊娠悪阻による入院でまず行われるのが、点滴による水分と栄養の補給です。飲食がほとんどできない状態でも、点滴によって体に必要な水分・電解質・糖分を直接補うことで、脱水や栄養失調を防ぎます。状態が落ち着くまでは点滴中心の治療となることが多く、体が少しずつ回復してきたら、経口摂取へと移行していきます。

安静第一!心身の回復を促す環境づくり

入院中は基本的にベッドで安静に過ごすことが勧められます。身体的な休息はもちろん、つわりによる精神的なストレスや不安を和らげるためにも、静かで安心できる環境が整えられています。看護師さんによるこまめなケアや、妊婦さん同士の交流が心の支えになることもありますよ。

必要に応じた投薬治療のサポート

つわりが重度で嘔吐が止まらない場合には、吐き気止めやビタミン剤などの薬が処方されることもあります。薬を使うことに不安を感じる方も多いかもしれませんが、医師の判断のもとで安全性が確認されたものが使われます。症状を少しでも軽くして、妊婦さんの体と心が休まるようサポートされていきます。

入院が必要になったときの家族や仕事への対応

家族への説明とサポート体制の準備

突然の入院は家族にも大きな影響を与えるもの。まずはパートナーや家族に現在の状況と医師からの説明内容をしっかり伝えることが大切です。日常の家事や上の子のお世話など、協力してもらうための準備も必要になります。事前に「もし入院になったら…」と話し合っておくと、いざというときにスムーズです。

入院が必要になったときの家族や仕事への対応

家族への説明とサポート体制の準備

突然の入院は家族にも大きな影響を与えるもの。まずはパートナーや家族に現在の状況と医師からの説明内容をしっかり伝えることが大切です。日常の家事や上の子のお世話など、協力してもらう必要があります。

職場への連絡と対応のポイント

働いている妊婦さんの場合、入院が決まったらできるだけ早めに職場に連絡を。体調が優れないときは家族や医師から代理で伝えてもらうのもOKです。産休や有給の扱い、復帰のタイミングなどについても確認しておくと安心です。無理せず、自分と赤ちゃんの健康を最優先に考えて行動しましょう。

退院後を見越した生活の見直し

入院は症状が一時的に落ち着くまでの措置であることが多く、退院後も無理のない生活を心がける必要があります。そのためには、家事や育児、仕事の負担を減らせるような仕組みづくりが大切。サポートしてくれる人を見つけたり、家の中の動線を見直したりするなど、環境の調整をしておくと安心です。

つわりで入院しないためにできる予防とセルフケア

水分補給と食事の工夫で悪化を防ぐ

つわりがひどくなる原因の一つが「脱水」。水や経口補水液などでこまめな水分補給を心がけましょう。また、食べられるものを少しずつでも摂ることが大切。においが少なく、消化の良い食べ物を選ぶと負担が軽くなります。空腹でも気持ち悪くなるので、こまめな間食もポイントです。

ストレスをためない生活習慣

精神的なストレスはつわりを悪化させることもあります。無理をせず、自分のペースで休むことが何より大切。横になれる時間を作ったり、好きな音楽を聴いたり、SNSやネット情報を控えめにするなど、自分がリラックスできる環境を整えてみましょう。心と体のバランスが整うことで、症状が和らぐこともあります。

かかりつけ医への定期的な相談

自己判断で我慢せず、症状がつらいときは早めに医師に相談しましょう。「入院するほどじゃないかも」と迷っているうちに悪化するケースも少なくありません。早めの受診と継続的なフォローで、入院を回避できる場合もあります。日頃から信頼できる医師と連携をとることが大切です。

まとめ

妊娠初期につらいつわりを経験する妊婦さんは多く、時には入院が必要になるケースもあります。吐き気や嘔吐が続いて水分もとれず、体重が急激に減少するような時は、迷わず病院を受診しましょう。とはいえ、すべてのつわりが入院を必要とするわけではありません。日々のセルフケアや食事・水分の工夫、心のゆとりが症状の軽減に大きく役立ちます。無理をせず、つらいときは「助けを求めること」も大切。妊娠期をより穏やかに過ごすために、体と心を大切にしながら、必要なサポートを上手に活用していきましょう。

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