はじめに
妊娠がわかった喜びの一方で、多くの妊婦さんが最初に直面するのが「つわり」。「吐き気がするだけじゃないの?」と思われがちですが、実はつわりにはさまざまなタイプがあります。吐き気や嘔吐だけでなく、よだれが増えたり、眠気が強まったり、特定のにおいに敏感になったりと、その症状は人それぞれ。この記事では代表的なつわりの種類をわかりやすく紹介し、「私だけ…?」という不安を少しでも和らげられるよう、つわりへの理解を深めていきます。
吐きつわり(嘔吐・吐き気)
朝起きたときの吐き気
朝目覚めた瞬間から強い吐き気を感じるのが、吐きつわりの代表的な症状です。
空腹時に気持ち悪さが増すことが多く、起き抜けに何か口にすることで軽減されることもあります。
妊娠初期に多く見られ、時間帯によって波があるのが特徴。
朝食を無理にとらず、まずは口に入れやすいビスケットやクラッカーなどを枕元に置いておくと楽になるケースもあります。
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食べても吐く状態が続く
何を食べてもすぐに吐いてしまう状態は、体力の消耗にもつながります。
水分も摂れない場合は脱水のリスクが高く、点滴や入院が必要になることも。
体重が急激に減る、尿が出にくいなどの症状がある場合は、我慢せず産婦人科に相談しましょう。
特に重度の場合は「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることがあります。
空腹で気持ち悪くなる
空腹になると胃酸が増え、それが原因で気持ち悪くなってしまう人も。
吐きつわりの一種ですが、何かを食べると一時的に楽になる場合もあります。
こまめに少量の食事をとる、味付きの飲み物を持ち歩くなどの工夫が役立ちます。
仕事中や外出先では飴やナッツ類などをバッグに忍ばせておくのもおすすめです。
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食べつわり(常に何か食べていたい)
空腹時に気持ち悪くなる
食べつわりの典型的な症状のひとつが「空腹になると吐き気がする」ことです。
胃が空になると気持ちが悪くなるため、少しずつ何かを口にしていないと落ち着かない…という状態が続きます。
飴やガム、ナッツなどを常に持ち歩くことで症状を和らげることができます。
私の場合は食べつわりだったので、常に飴を舐めていました。よく舐めていたのは、パインアメでした。
甘味がちょうどよく、舐めている間はつわりの気持ち悪さが軽減されて助かりました。
他にはカムカムレモンもよく食べていました。
妊婦検診の長い待ち時間にも、飴とカムカムレモンのおかげでなんとか吐かずに乗り切りました。
ただし糖分や塩分の摂りすぎには注意が必要です。
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常に何かを口にしたくなる
食べつわりの人は「お腹が空いていないのに何か食べたい」という感覚が続くこともあります。
無意識に食べる回数が増えてしまい、体重管理が難しくなることも。
食べたい衝動を満たしながらも、低カロリーで満足感のある食材(こんにゃくゼリーやカットフルーツなど)をうまく取り入れることがポイントです。
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体重増加が気になる
食べつわりが続くと、妊娠初期にも関わらず体重がどんどん増えてしまうことも。
急激な体重増加は妊娠高血圧症候群のリスクを高めるため、注意が必要です。
栄養士や助産師に相談して、食べつわりに対応しながら無理なくカロリーをコントロールできる方法を取り入れてみましょう。
食べる量より“内容”の見直しが効果的です。
においつわり(特定のにおいに敏感になる)
食べ物のにおいがダメになる
においつわりで多くの人が苦しむのが、料理中のにおいや食材の匂いです。
特に炒め物や魚の焼ける匂いなど、油と混じったにおいに吐き気を感じることがあります。
そのため、料理が難しくなり、外食やレトルトに頼る人も。
無理せず、パートナーの協力や宅配サービスの利用を検討するのもおすすめです。
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洗剤・柔軟剤が苦手になる
普段は心地よく感じていた洗濯洗剤や柔軟剤、香水の香りが急に気持ち悪く感じるようになることもあります。
においつわりでは人工的な香りに敏感になるため、無香料のものに切り替えるとラクになる場合があります。
マスクを活用してにおいを避けるのも効果的です。
においの記憶がトラウマに
つわり中に気持ち悪くなったにおいは、その後も苦手意識が残ることがあります。
妊娠中の嗅覚の敏感さは一時的とはいえ、においに対する記憶は長く影響することも。
なるべく不快なにおいとの接触を減らし、リラックスできる香り(アロマなど)を見つけると心が落ち着きます。
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よだれつわり(唾液が大量に出る)
よだれが止まらない
よだれつわりは、唾液が異常に分泌される症状です。
特に何もしていなくても、口の中が常に唾液でいっぱいになり、吐き出さずにはいられなくなることもあります。
水分を取りすぎていると誤解されやすいですが、自分ではコントロールが難しい症状です。
口の中が気持ち悪い
よだれが増えることで口の中の不快感が強くなり、気分が悪くなることも。
うがいやガム、飴などで口内をリフレッシュすることで、多少症状が軽くなるケースもあります。
歯磨きをこまめにすることで、気分転換にもつながります。
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眠れない・外出できない
よだれを吐き出すためにティッシュや容器が手放せず、外出が難しくなる人もいます。
また、夜間も唾液が気になって眠れなくなることがあります。
ガーゼやタオルを枕元に置いたり、唾液を吸収しやすいマスクを使用したりと、環境を工夫することで少し快適になります。
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その他のつわりの種類
■ 頭痛・偏頭痛型つわり
妊娠初期のホルモン変化で、強い頭痛や偏頭痛に悩まされるタイプ。吐き気と同時に出ることも。
■ めまいつわり
ふらつきや立ちくらみが頻繁に起こるタイプ。血圧の変化や鉄分不足が原因のことも。
■ 情緒不安定型(感情つわり)
急に涙が出たり、イライラ・不安感が強くなったり。心の揺れが激しくなりやすいタイプ。
■ 便秘・下痢型つわり
消化器系の働きが乱れることで、便秘や下痢が続くパターン。胃腸の不調が中心になるタイプ。
■ 体臭・味覚過敏型
自分や周囲のにおいに敏感になるだけでなく、食べ物の味が変に感じたり、鉄や苦みを強く感じることも。
まとめ
つわりと一口に言っても、その症状や感じ方は十人十色。吐きつわり、食べつわり、よだれつわり、においつわり、眠りつわり…どれも妊娠による自然な体の変化です。無理せず、自分のペースで過ごすことが一番大切。家族やパートナーにも協力してもらいながら、できるだけ快適にこの時期を乗り切りましょう!
つらいと感じたときは、遠慮せず産婦人科で相談を。一人で抱え込まず、頼ることも大切ですよ。